ぼうず丸もうけ(フォロー編)
前回のブログ「ぼうず丸もうけ?」を読む限りでは、僧侶は日々私腹を肥やすことに精を出している、というイメージを持ってしまうかもしれません。
“そうとも言い切れない” 部分も記述しておきます。
本当の時給はいったい?
“時給50万円” ですが、それは戒名料を含んだ葬儀の部分だけを切り取ったものです。
毎日の掃除や鐘つきなどをしている時間は収入になりません。
お寺は基本的に年中無休です。
いつ届くかわからない訃報に対処するため、柔軟なスケジュールを組んでいる僧侶がほとんどです。
お盆やお彼岸など、多忙でまとまったお布施が見込める時期もありますが、1年を通じて懐が温かいわけでもないようです。
車に関しては、さすがにベンツやレクサスに乗って颯爽と現れたら、羨望の眼差しで見られるかもしれません。
さりとて、軽自動車や旧式の大衆車で乗り付けるのもどうでしょうか。
あの豪華な袈裟とバランスが取れないような気もします。住職が纏うキラキラが入った袈裟は100万円以上するのだそうです。
高級過ぎず、さりとて大衆過ぎず、車種選びも意外と大変なのかもしれません。
経費だって税金だってあり
100万円以上する袈裟を含めて、お寺もそれなりに経費がかかります。
お寺の建物は木造で、構造も一般住宅に比べれば特殊です。ということは、火災保険が高額です。
経費と言えるかどうか分かりませんが、各宗派の総本山に納める上納金もあります。
フランチャイズチェーンのロイヤリティーのようなものです。
前々回のブログで図を掲載した通り、お布施を含めた各種収入に対して “お寺に入る段階では” 税金が掛かりません。
ただし、お寺から僧侶に支払われる給料に対しては、会社員や公務員と同じく、所得税、住民税等が差し引かれます。
僧侶もサラリーマンってことです。
これも無税だったら、さすがに暴動が起きるかもしれません。
そして近年、檀家の減少や葬儀の簡略化などの流れもあり、お布施し収入は減少傾向にあります。
関東では、通夜も葬儀も省略する直葬を営む割合が20%前後にのぼると言われています。
東京、大阪等の大都市圏に限れば25%ほどかと思われます。
こういった大都市圏は地方からの転入者が多く、そもそもお寺の檀家になっている世帯が多くありません。
追い討ちをかけるように、コロナ禍で「葬儀をしたくてもできない」家も。
今、僧侶も切羽詰まっているのでしょうか。
「ぼうず丸もうけ」などと言っては、天罰が下るかもしれません。
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