生前戒名は Simple is Best
ブックオフをヒントにしたこと
前回のブログでは、『ブックオフと生前戒名の意外な共通点』を取り上げました。
実際にエピローグ令和の価格設定を決める際には、ブックオフのビジネスモデルを一つヒントにしました。
それは、シンプルさと割り切りです。
多店舗化が難しいとされていた古書店を、短期間で700店舗以上の全国チェーンを可能にした最大のポイントは、その買い取り方法です。
従来の古書店では、店主が本1冊1冊を「目利き」で査定していました。
「これは学術的な価値が高いもの」とか「これは芥川賞受賞作」といった具合に。
しかし、それでは限られた人しか買い取りができません。
入店したばかりのスタッフが買い取りをすることは100%不可能です。
これが、多店舗化ができなかった理由です。
そこで本の中身の価値は一切考えずに、見た目のキレイさでAランク、Bランク、Cランク(買い取り不可の場合はDランク)に選り分けるだけ、という画期的手法を導入しました。
これで新人でも買い取りができるようになったばかりかでなく、生産性も大幅に上がります。
慣れてくると、1冊の査定に1秒も掛かりません。
この発想の根底にあるのは、シンプルさと割り切りです。
古書店の“オヤジさん” からすれば、高額で売買されるべき本がブックオフでは10円で買って100円で売る、ということも起こります。
一定の売上ロスは必ず発生します。
それでもそこには目をつぶって、シンプルさと生産性、そしてオペレーションの均一化を優先させることで全国チェーンへの道筋をつけました。
これが割り切りであり、すぐれた経営的発想です。
フェアでわかりやすいこと
エピローグ令和の割り切りは、料金を(考えた文字)一文字につき1万円とシンプルにしたこと。
院号であっても、道号であっても、戒名(法名)であっても、すべて一文字1万円。
これは寺院側からすると、とんでもないことと映るかもしれません。
戒名の冒とくだと言われる恐れもあります。
とりわけ院号は、元々地位の高い人や社会への貢献度、もしくは菩提寺への貢献度が高い人にのみ付けたもの。
誰でも授かれるものではないので、それだけ価値の高いもの。という理由で、高騰しがちです。
エピローグ令和は、お客様(ご依頼者様)から見てフェアでわかりやすいことが大切だと考えました。
やはり、一文字は一文字。
今までの常識や慣習よりもお客様の立場に寄り添うことを忘れてはいけません。
Simple is best です。