example01
このページでは、私(神代知明、エピローグ令和・代表)が考えた八つの戒名(法名)をご紹介します。
僭越ながら、まずは私自身の戒名です。好奇心が強く趣味が多彩であるため、それが強く反映された戒名になりました。
- 【陶】
- 二十代から焼き物(陶器)に心酔していました。とくに、備前焼、楽焼、萩焼、美濃焼の志野・織部は心を奪われます。
- 【光】
- 絵画を観るのも好きで、モネやルノアールなどの印象派絵画には、とくに魅了されました。印象派絵画の特徴は、自然の光のうつろいを色彩によって描くことです。そこから「光」の文字を選びました。
- 【周】
- もう一つ、生涯の楽しみが旅行。見知らぬ場所に旅立つ時は、歳をとってもワクワクします。「周」は旅(周遊)に由来します。
- 【弦】
- 生涯、こよなく愛したのがクラシック音楽。なかでも弦楽曲は一服の清涼剤でした。また、学生時代にマンドリンという弦楽器に熱中していたこともあり、「弦」の字を入れました。
- 【明】
- 私の名前(知明)から一字を採っています。
- 【楽】
- 楽しく考え、楽しいことをやって、楽しく生きる、というのが私の人生観です。いつでも楽観的、前向きにとらえる習慣があります。
example02
つづいて、私がエピローグ令和を立ち上げるきっかけにもなった(「メッセージ」参照)、父を取り上げます。父の宗派は浄土真宗でしたので、戒名ではなく法名です。
父の法名の件で納得できなかったのは、その金額だけではありません。事前に父の人となりを伝えて、そこから想起される文字を望んだのですが、告げられ法名を確認すると、まったく反映されていませんでした。
私だけの問題ではありませんので、法名はそのままにしていますが、今からでも変えてあげたい、というのが本音です。そこで、父にふさわしい法名を考えてみました。
- 【経】
- 経済の「経」。大学は経済学部で、晩年まで日本経済新聞を愛読し、株取引に精を出すほど経済好きでした。
実際の法名には、この場所になぜだか「法」の字が入っています。
父は法学部ではなく、経済学部なのですが…。
- 【樹】
- 父の唯一の趣味であり生きがいだったのが、自宅の園芸・庭木作業。
いつ実家に戻っても、庭はしっかりと手入れが行き届いていました。
そこから「樹」の文字を付けてみました。
- 【繊】
- 父は性格が細やかで、何事にもキチッとしていました。そこから、繊細の「繊」。また、父は長年、アパレルメーカー(繊維産業)の帝人株式会社に勤めていたこともあり、「繊」の字を選びました。
- 【健】
- 父の名前(健夫)から一字を採っています。
example03
ここからは、私の旧友や元同僚など、生前戒名づくりに協力していただいた気の置けない方たちの戒名です。
プライバシー保護のため、苗字を一字変えています。
はじめは、中谷晴勝様。長く銀行に勤務。おもに融資係を担当。
趣味は、中学生から続けているサッカーと20代にハマってしまったタイ旅行。
ありあまるエネルギーと持ち前の明るさが特長です。
- 【陽源】
- 持ち前の明るいイメージとエネルギッシュでバイタルティあふれるイメージを「陽」と「源」の二文字で表してみました。
- 【蹴】
- もちろん、サッカー(=蹴球)の頭文字です。
- 【泰】
- タイ王国を漢字で表記した場合の「泰」の字です。
- 【勝】
- 名前(晴勝)から一字を採っています。
- 【成】
- 銀行の融資係。これを漢字一字で表現するのは慎重を要します。「金」とか「貸」は、戒名には似つかわしくありません。次に、「融」か「資」で検討しましたが、「晴」の字と組み合わせると、見た目がすっきり
しません。
そこで、銀行の融資によって企業活動、経済活動が「成り立つ」、との考え方から「成」の文字を採りました。
example04
デイサービスに勤務する介護士。忙しい仕事のせいか、いつも機敏に動く。
頭の回転も速い。その容姿と雰囲気から、クールビューティーといってもいいかもしれない。
その一方、休みの日は静かにのんびり過ごす。自宅で買っている猫が大切な家族。故郷の長野県をこよなく愛する。
- 【凛香】
- クールビューティーをどのように形容するか、かなり考えましたが、りりしさを表わす「凛」の字を選びました。
ただ、「凛」だけだと、「ひきしまって厳しい」のイメージになりかねないので、「香」の字を入れて、女性らしい「たおやかさ」を持ち合わせている意味合いを加えました。
- 【優愛】
-
職場では入居者へ、自宅では愛猫への優しくいたわる気持ちのあり方を「優愛」で表しました。「慈(ジ=いつくしむ)」の文字も捨てがたかったのですが、他の文字との組み合わせにおいて音便がよくなかったので、見送りました。
- 【信】
- 野県の旧国名「信濃」から一文字を採りました。
- 【妙】
- 名前(妙子)から一字を採っています。
example05
自営業でバイクの販売・修理店を営む。子供のときから機械いじりが得意で、それが高じたようだ。もちろんバイクで風を切って出かける(ツーリング)のも大好きで、時間があれば房総や大洗海岸などの海に出かける。
性格は、とても人なつっこい。おしゃべりで話題が尽きない。
- 【親】
- 人なつっこい性格を、親しみやすい、親近感がある、と言い換えて「親」の文字を使いました。
- 【語】
- おしゃべり、よく話すという特徴を、語らいの「語」で表しました。歓談、談笑の「談」も使いたかったのですが、「親」「院」との組み合わせにおいて音便がよくなかったので、「語」の字を選びました。
- 【輪】
- バイク=二輪車の「輪」です。
- 【速】
- ツーリングをそのまま言い表せる漢字は、探しましたがありませんでした。そこで、一つ前の「輪」と組み合わせてツーリングの雰囲気、イメージを連想させる文字として「速」を選びました。
- 【洋】
- 言うまでもなく海を連想させる文字です。「海」や「浜」よりも「進」との組み合わせにおいてマッチしている「洋」を選びました。
- 【進】
- 名前一文字をそのまま採っています。
example06
大学卒業後、数年間は一般企業に勤めていたが、退職してイギリスに2年間留学。帰国後、英会話スクールの講師に。非常に落ち着いた性格で、どちらかというと癒し系。大の子供好きで、子供を前にすると笑って真顔が崩れっぱなしになる。趣味はフラワーアレンジメントと歌舞伎鑑賞。
- 【穏和】
- 癒し系のイメージを「穏やか」「和む」と言い換え、この二文字を組み合わせてみました。
- 【英】
- 英会話講師なので「英」の字。そのままではないか、と言われそうですが、「英」の訓読みは「はなぶさ」。
房になって咲く花の群れ、花房のことです。
フラワーアレンジメントにも関連づけられる文字です。
- 【花】
-
とはいえ、誰もがフラワーアレンジメントを連想できる文字も必要だと考えて、「花」の字も入れました。戒名の雰囲気としては「華」を使いたいのですが、もう一つの趣味である歌舞伎を考えたときに、なくてはならない「花道」を思い浮かべました。
そこで2つを形容する「花」にしました。
- 【秀】
- 名前(秀美)から一字を採っています。
- 【童】
- 大の子供好きなので、「童」です。「子」では音便もよくないし、誰かの俗名みたいになってしまいます。
example07
建設会社の現場監督。新しい建物が出来上がることに人一倍の喜びを感じている。性格はおおらか、温厚で人望が厚い。趣味は釣りとジャズ音楽鑑賞。
「もう一押しこそ慎重たれ」(武田信玄)を座右の銘としている。安全第一の現場では、何より響く文言に違いない。山梨県出身だから、信玄なのかも。
- 【寛徳】
- おおらかさを「寛大」「寛容」の「寛」で表し、人望の厚さを「人徳」の「徳」で表しました。
「寛徳」は現場監督の「監督」にも引っ掛けています。
- 【爵】
- 趣味のジャズ音楽。これを戒名に反映させるのは難しいのですが、一つのアプローチとして中国語を引用します。ジャズを中国語では爵士楽と書きます。そこから「爵」です。
- 【川】
-
本人の話では磯釣りも川釣りも好きだった、とのこと。そこでまず「磯(=キ)」の文字を検討しましたが、「爵」の文字との組み合わせを考えると、音便に違和感が残ります。そこで、海のない山梨県の出身なので、もう一つの「川」を入れて「爵川」にしました。
- 【念】
- 慎重たれを「念いり」「入念」と言い換え、「念」の字を入れてみました。
- 【義】
- 名前(義久)から一字を採っています。
example08
横浜市内の画廊に勤めている。幼少のときから絵を描くことが好きで、とくに水彩画を得意とする。神奈川県厚木市に住んでいることもあり、丹沢山系の山並みを好んで描く。私も一度だけ観たことがあるが、その色彩の深みは玄人はだしである。また、そういった山々に登るのも休日の楽しみだとか。
性格はとにかく明るく、天真爛漫。動と静を見事に使い分けている、器用な人なのかもしれない。
浄土真宗であるため、その形式で法名を付けました。本人の希望により、俗名からの一文字転用はしていません。浄土真宗の場合、道号に当たる釋号が決まっているため、一文字でも多く新たに考えてほしいとのことでした。
- 【翠嵐】
- 翠嵐とは、「山は緑で吹く風は香(かぐわ)しく麗しい」という意味の漢語的表現です。簡単に言えば、青々とした山のたたずまい、の意味。
丹沢山系に人一倍愛着を感じているようなので、それをこの二文字で表現してみました。
- 【春】
- 本人は五月生まれ。そこで、明るい性格と自然を愛するイメージを「春」で表しました。
- 【彩】
- 色彩、いろどり、光彩(輝き)の「彩」。ライフワークである水彩画も言い表わし、また本人の性格をも形容できる最適な文字だと思います。